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東京地方裁判所 昭和44年(ヨ)1614号 判決 1971年8月12日

第三九四六号事件・第一六一四号事件 債権者 藤田勇勝 第一六一四号事件 債権者 株式会社勝良荘

第三九四六号事件・第一六一四号事件 債務者 戸田建設株式会社 外一名

主文

一  昭和四四年(モ)第三九四六号事件債権者藤田勇勝と債務者戸田建設株式会社、同丸建観光株式会社間の東京地方裁判所昭和四四年(ヨ)第一二七五号占有使用妨害禁止等仮処分申請事件について、同裁判所が昭和四四年二月二六日にした決定はこれを取消す。

二  昭和四四年(モ)第三九四六号事件債権者藤田勇勝の仮処分申請を却下する。

三  昭和四四年(ヨ)第一六一四号事件債権者藤田勇勝、同株式会社勝良荘の仮処分申請をいずれも却下する。

四  訴訟費用は昭和四四年(モ)第三九四六号事件、同年(ヨ)第一六一四号事件債権者藤田勇勝および同年(ヨ)第一六一四号事件債権者株式会社勝良荘の負担とする。

五  この判決の第一項は仮に執行することができる。

事実

第一昭和四四年(モ)第三九四六号事件

(申請の趣旨)

一  債権者藤田勇勝(以下債権者藤田という。)と債務者戸田建設株式会社(以下債務者戸田建設という。)、同丸建観光株式会社(以下債務者丸建観光という。)間の東京地方裁判所昭和四四年(ヨ)第一二七五号占有使用妨害禁止等仮処分申請事件について、同裁判所が昭和四四年二月二六日にした決定を認可する。

二  訴訟費用は債務者らの負担とする。

(答弁)

一  主文第一、二項同旨

二  訴訟費用は債権者藤田の負担とする。

との判決ならびに主文第一項につき仮執行の宣言

(申請の理由)

一  債権者藤田は昭和四四年(ヨ)第一六一四号事件債権者株式会社勝良荘(以下債権者勝良荘という。)が債権者藤田に対して負担している二、九五〇万円の消費貸借債務のうち二、〇〇〇万円の弁済に代える趣旨で、昭和四三年一一月一〇日債権者勝良荘からその所有する別紙第一物件目録記載の物件(以下第一物件という。)を買戻特約を付して譲り受けた。

二  債務者戸田建設は第一物件を付近の旅館施設とともに競落取得したとしてこれらを債務者丸建観光に賃貸し、同債務者はこれを占有使用して「ホテルながやま」の名称でホテル業を経営しているが、債権者藤田はこのため第一物件を使用収益することを妨げられている。

三  そこで債権者藤田は第一物件の所有権(前記目録四(二)記載の土地については温泉権)に基づいて債務者らに対しその立入禁止および妨害排除、予防の本案訴訟を提起すべく準備中であるが、債権者藤田としては、債務者らが第一物件を不法に使用したことによる損害調査の必要があるのみならず、右物件は債務者戸田建設所有の土地、建物内に存在するため債務者らによつて破壊、改造されるおそれが大きく、その場合には莫大かつ回復不能の損害が発生するので、これを監視する必要もあり、また第一物件を今直ちに使用して収益をあげないと債権者勝良荘に対する貸金債権の回収が困難になるばかりでなく、債権者藤田の女婿である池永芳司一家の窮迫した生活を維持するためにも第一物件を利用したい。よつて、著しい損害を避け、急迫した強暴を防ぐため、本件仮処分を求める必要性がある。

四  そして債権者藤田は、東京地方裁判所に「債務者らは実力をもつて第一物件に立入つたり、債権者藤田の右物件に対する使用および占有を妨害してはならない」との仮処分申請をし(昭和四四年(ヨ)第一二七五号事件)、同旨の決定を得たが、右決定は至当であるからその認可を求める。

(申請の理由に対する答弁)

一  申請の理由第一項のうち、第一物件がもと債権者勝良荘の所有に属していたことは認めるが、その余の事実は否認する。

二  同第二項は認める。

三  同第三項は争う。

(抗弁)

一  第一物件は、以下述べるとおり、債務者戸田建設の有する抵当権の目的物件である旅館勝良荘のすべての土地、建物の構成部分または従物であつてこれと附加して一体をなした物であるところ、右抵当権に基づく不動産競売事件において債務者戸田建設は右勝良荘のすべての土地、建物を競落取得したから、これによつて同債務者は第一物件の所有権も当然取得したものである。

(一) 昭和三八年二月、債権者勝良荘は債務者戸田建設を請負人として、請負代金三億九、〇〇〇万円、支払方法はうち二億円につき工事期間中である昭和三八年二月から三九年五月まで分割払、残金一億九、〇〇〇万円につき工事完成引渡後一年以内に分割払との約定のもとに別紙第四物件目録(一)記載の勝良荘新館(以下新館という。)増築工事請負契約を締結した。

しかし債権者勝良荘は右新館が完成した昭和三九年五月まで右支払を全くしなかつたため、同月中旬ごろ債権者勝良荘と債務者戸田建設との間において前記契約を一部変更し、(イ)請負工事代金を追加工事分を含めて四億二八八六万五、〇〇〇円とする、(ロ)支払方法は同年六月一一日限り一億円、昭和四〇年から四二年まで毎年五月末日限り、各一億円昭和四三年五月末日限り二、八八六万五、〇〇〇円を支払うこと、(ハ)債権者勝良荘が右の割賦弁済を一回でも怠つたときは分割弁済および期限の利益を失い残債務全額を直ちに支払うこと、(ニ)前記新館につき被担保債権額を三億二、八八六万五、〇〇〇円とする抵当権を設定すると定め、これに基づき昭和三九年九月一二日右抵当権の設定登記を了した。

そして右契約に従い、債権者勝良荘は昭和三九年六月一一日期限および四〇年五月末日期限の各一億円は支払つたが、翌四一年分の一億円については支払ができなかつた。

(二) 債務者戸田建設はこのような事態発生に直面し、自己の債権の回収に不安を感じたので、昭和四一年九月二二日債権者勝良荘および当時その代表取締役であつた申請外池永公三郎(以下公三郎という。)との間において、右二億二、八八六万五、〇〇〇円の残債権を被担保債権として債権者勝良荘所有の別紙第四物件目録(二)記載の物件および公三郎個人所有の同目録(三)記載の物件につき抵当権設定契約(増担保契約)を締結し、同年一〇月一日その設定登記を了した。

ところで、右目録(二)、(三)記載の物件中の一部を除きその余の物件と同目録(一)記載の物件とは勝良荘の旅館施設を構成する土地、建物全部に当り、これらが有機的に一体となつて一個の旅館施設を構成しているもので、右抵当権の対象は第一物件を含む(この点は後に詳述する。)勝良荘の旅館施設のすべてを包含する趣旨であつたが、その旨を確認しておくため、前記増担保契約締結に際して債務者戸田建設と債権者勝良荘および公三郎との間で「右抵当権の効力は当然目的物件に従属する門、塀、庭木、庭石、造作、プール、畳、建具、機械の運転に必要な伝導装置、器具その他一切の附加従属物に及ぶこと、抵当物件は有姿のまま担保に供したものであつて、公簿上の記載と実際とが符合しないことがあつても抵当権の効力には影響がないこと」との合意がなされた。

(三) そして第一物件はいずれも勝良荘を構成する物件としてその土地、建物に附加してこれと社会的、経済的に一体となつて利用に供されるべきものであつて、独立して所有権の対象となり得る不動産ではないから、前記抵当権の効力がこれに及ぶものである。

1 岩風呂について

別紙第一物件目録一記載の岩風呂(以下本件岩風呂という。)は大字勝浦一一五八番一一の土地(別紙第四物件目録(三)の(13))の構成部分または従物であるとともに勝良荘新館(同目録(一))および本館(同目録(二)の(7) 等)の常用に供するために属させられたものである。

ちなみに本件岩風呂は広大な天然の岩窟を利用して湯舟の仕切りを土地に附着させたものにすぎない。債権者の主張する(後述)岩風呂の存在価値や経済的効用によつてその独立性が決せられるものではなく、また独立の課税評価がなされているとしても税務行政上の取扱いにすぎないし、さらに本件岩風呂に附随した脱衣場は柱とビニール波板のおおいで構成されているだけで柱と柱の間には壁はなく、脱衣箱が固定されているだけのきわめて簡単な工作物で、しかも岩風呂全体の面積に比し脱衣場の面積は僅少の割合を占めているにすぎないから脱衣場自体を独立した一個の建物と称することはできず、仮に脱衣場が建物と評価されるとしても、岩風呂全体が建物となることはない。

2 プールについて

別紙第一物件目録二記載のプール(以下本件プールという。)は勝良荘本館南側に接続して建設され、その脱衣場は本館地階に設けられ、水道等の諸設備も建物用と一体として敷設されており、プールヘの通路も旅館建物内を通るように作られ、新館および本館の常用に供されるもので、旅館施設に附加する有機的構成部分または従物として宿泊客の遊浴の便に供することを目的としている。その底地の一部は公有水面であり、債権者勝良荘が占用許可を得ていたが、右占用許可の期間は昭和四四年三月三一日をもつて満了しているし、本件プールが課税評価されているとしても前記岩風呂と同様それが独立した不動産であることを意味するものではない。なお、本件プールは登記ないし明認方法を有していない。

3 トンネルについて

別紙第一物件目録三記載のトンネル(以下本件トンネルという。)は大字勝浦一一五八番二の土地(別紙第四物件目録(三)の(2) )の構成部分にほかならない。すなわち本件トンネルは大正初年ごろ山林の岩壁を現状のように掘削して通路としたもので、旅館敷地内への通路としての用法をもつだけであり、単に内部舗装と出入口の装飾をしただけで内部の岩壁は露出したままの状態であつて、内部に設けられた倉庫も横穴式に掘り抜かれた洞窟にすぎず、一個の独立した工作物というには程遠いものである。

4 温泉源について

別紙第一物件目録四記載のポンプ室および源泉(以下本件ポンプ室および本件源泉という。)は大字勝浦一一五八番六の土地(別紙第四物件目録(三)の(8) )に存するところ、勝浦地方においては源泉権がその地盤所有権と独立して取扱われる慣習は存しないし、また本件源泉が勝良荘本館地下の大浴場の専用に供せられている点からみても、本件源泉および本件ポンプ室は勝良荘の旅館施設に附加してこれと一体をなしていることが明らかである。

仮に債権者藤田主張のような(後述)独立の源泉権が認められる慣習が存するとしても、債権者藤田は本件源泉について地盤所有権に対抗し得る占有権原を有していないから、その権利を地盤所有権者に主張することができない。

(四) 債務者戸田建設は、債権者勝良荘から昭和四二年五月末日期限の一億円についても支払がなく、同債権者が前記約定により期限の利益を失い、残債務二億二、八八六万五、〇〇〇円の弁済期限が到来したため、同年九月六日和歌山地方裁判所新宮支部に前記各抵当権に基づき別紙第四物件目録記載の物件につき競売を申立てた(同庁昭和四二年(ケ)第三三号、なお競売申立の登記は同年九月二二日なされた。)ところ、同裁判所は競売対象物件を(イ)旅館施設を構成する土地三一筆、建物一二棟(後記(ロ)、(ハ)を除く一切の物件)(ロ)大字築地所在の勝良荘の従業員宿舎(前記目録(二)の(10))(ハ)大字井関所在の公三郎の別邸(同目録(三)の(31)ないし(38)、(42))の三グループに分け、それぞれ一括競売に附したので、債務者戸田建設は昭和四三年二月二六日、勝良荘の旅館を構成する右(イ)および(ロ)の物件すべてを代金五億四、三八〇万円で競落許可決定を受け、同年一〇月二四日右代金の支払を了してその所有権を取得し、同年一一月四日その旨の登記がなされた。従つて、債務者戸田建設は右(イ)の各物件の附加物である第一物件を右競落により取得したものである。

なおその後同年一二月一三日、債務者戸田建設は右競落に基づく引渡命令の執行により、第一物件を含む旅館施設全体の引渡を受けた。

二  債権者勝良荘は前記工事代金債務の支払のために債務者戸田建設に宛てて約束手形を振出していたが、そのうち四、〇〇〇万円の約束手形につき債務者戸田建設は手形判決を得て債権者勝良荘所有の動産に対し強制執行に着手したところ、債権者勝良荘側から、旅館勝良荘の土地、建物を任意売却できる見込みなので、動産競売期日を延期してもらいたいとの懇請があつたため、債務者戸田建設もこれを承諾し、昭和四三年一一月七日債務者戸田建設と債権者藤田、同勝良荘等との間において、新宮簡易裁判所で左記内容を基本線とする起訴前の和解が成立したが、債務者戸田建設の競落にかかる勝良荘の旅館を構成する前記(イ)、(ロ)をあわせた四四物件には第一物件等一切の附加物が当然含まれていることが了承された。

(一) 債権者勝良荘が昭和四三年一一月二〇日までに八億五、〇〇〇万円を提供できないときは同月二七日限り任意に競落物件を引渡す。

(二) 旅館勝良荘の施設内にある未登記建物についても、右期限を徒過したときは、債務者戸田建設に贈与ないし売買により譲渡する。

(三) 債権者藤田は債権者戸田建設が申立てている動産に対する強制執行に関する配当要求を取下げる。

ところが、債権者勝良荘は右(一)の期限を徒過したので、債務者戸田建設は右和解の効力としても第一物件の所有権を取得したということができる。

三  債権者藤田主張の買戻特約付譲渡契約は訴訟信託を目的とする仮装譲渡であつて、虚偽表示による法律行為であるから無効である。

四  また右譲渡契約は、債権者勝良荘の取締役会長である債権者藤田が取締役会の承認を受けずに債権者勝良荘とした取引であつて商法二六五条に違反するから、右契約は少くとも債権者勝良荘の債権者である債務者戸田建設に対する関係では無効である。

五  さらに右譲渡契約は詐害行為に該当するばかりでなく、債権者藤田が本件仮処分申請をするに至るまでの経緯は、債権者勝良荘の度重なる契約不履行と債務者戸田建設の最大限の譲歩と寛容とで一貫しており、しかも債権者藤田は債権者勝良荘の取締役会長であり、かつその代表者池永芳司の義父であるのに、右芳司と共謀して不法な利益を獲得することを目的として数々のいやがらせを行つてきたものであり、このような経緯に照らせば、債権者藤田の本件仮処分申請は公序良俗および信義則に反し、また権利の濫用というべきである。

(抗弁に対する答弁)

一  抗弁第一項のうち、債務者戸田建設が勝良荘の土地、建物の大部分を競落取得したことは認めるが、第一物件が右競落物件である土地、建物の構成部分または従物であることは否認する。

(一) 同項(一)は認める。

(二) 同項(二)のうち、主張のような抵当権設定登記がなされていることは認めるが、その余は否認する。

当時債権者勝良荘および公三郎は、工事代金のうちすでに二億円を支払い、しかも新館について第二順位の抵当権を設定していたので、工事残代金の支払担保としてはこれで充分であると考え、これ以上の増担保の要求に応じることは将来勝良荘の全財産を失うおそれが大きいとしてその要求を拒否したものである。

債務者ら提出の抵当権設定契約書は、当時債権者勝良荘の代表者印を保管していた申請外紀陽銀行からの出向員(債権者勝良荘に融資をしていた紀陽銀行から、貸付資金流用の監視と自己の債権確保のため派遣されたが、金銭出納、債務負担行為等につき広範な決裁権を有し、事実上勝良荘の経営を管理していたものである。)である申請外金沢辰三が公三郎その他債権者勝良荘の役員に無断で右印鑑を冒用して作成したものである。池永芳司はこれと同じ内容の契約書を右金沢および債権者勝良荘の総務部長であつた申請外小畑展也から示されて承認を求められたがこれを拒否した上、同一の契約書三通を全部金沢から取上げて持帰つたものであつて、当初から契約は成立していない。ところが右契約書は、その間の事情を知らない当時の債権者勝良荘の代理人である申請外宮崎武吉弁護士が、債権者勝良荘を代理して動産競売手続の執行停止の申請をした際、誤つて附属書類として裁判所に提出してしまつたのである。

(三) 同項(三)は否認する。第一物件はいずれもそれ自体独立した不動産であり、債務者主張の抵当権の目的になつていない。

1 本件岩風呂について

本件岩風呂が債務者ら主張の土地に所在することは認める。しかし、本件岩風呂は、「岩戸風呂」という名称のもとに周知性がある上、その大きさ(幅約二〇メートル、奥行約六〇メートル)、景観、特異性、用途からみて土地とは別個の存在価値を有すること、敷地とは別個に固定資産税の評価がされていること、自然の岩窟を利用して多額の費用を投じ、コンクリート、タイル、鉄平石、柱、屋根、電気設備等を施し、内部に温泉を引いて入浴と鑑賞のレジヤーを提供する独特の経済的効用を有する構築物であること、脱衣場部分は屋根、柱、障壁を有し、競落後の昭和四四年四月五日以後は登記も具備した建物であり、浴槽部分と不可分一体をなしているものであること等の特徴を有する点からみても、独立の不動産であることが明らかである。

2 本件プールについて

本件プールは、旅館建物から離れて海洋に面して構築され、その底地は公有水面であり、債権者勝良荘が昭和四一年五月四日和歌山県知事から水族館設置の目的で占用許可を得、さらに公有水面埋立許可に基づいて埋立てたものであるから、底地が債務者ら主張の抵当権の目的となつていないことは明らかであり、しかも本件プールは、鉄筋コンクリート製恒久構築物であつて底地から独立して経済的価値を有すること、独自に登記ないし明認方法という公示方法を備え得ること、それ自体別個に固定資産税の評価がされていること等の点に徴すれば、底地から独立した工作物であることは自明であり、しかも旅館施設の常用に供されるものではない。

3 本件トンネルについて

本件トンネルは、両出入口に鉄扉を設け、かつ煉瓦を積上げて装飾し、内部の地面はコンクリート舗装されて電燈の設備があり、内部中央には天井、周壁、扉を有し電気、給水管の設置されている倉庫があるから、底地とは独立した工作物というべきである。

4 温泉源について

本件源泉が債務者ら主張の土地に存することは否認する。すなわち、債権者勝良荘が昭和三八年一〇月八日和歌山県知事から温泉掘削許可を得ている場所は債務者ら主張の土地になつているが、実際に掘削した場所は債権者勝良荘が占用許可を有する公有水面地内である(公有水面地である海岸遊歩道より外側の海に面している。)。従つて、本件源泉の地盤が債務者ら主張の抵当権の目的となつていないことは明らかである。

そして、温泉専用権(湯口権)が地盤から独立した物権的権利であることは判例および慣習法によつて確立されているところ、現に勝浦地方では温泉湧出地の周囲一坪位を「鉱泉地」として分筆登記することにより源泉を公示する慣習が存する。また本件ポンプ室は、昭和四一年一二月三〇日に設置されたものであるが、これには「勝良荘泉源」と書かれた木札が掲出され、これにより明認方法が施されているから、仮に本件源泉が債務者ら主張の土地に存するとしても、同土地の抵当権者等に対抗し得るものである。

(四) 同項(四)は、債務者戸田建設が第一物件を競落により取得したとの点を除き、認める。

二  抗弁第二項のうち、債務者ら主張のころその主張のような内容の起訴前の和解が成立したことは認めるが、右和解の対象となつた競落物件に第一物件が含まれるものと了承されたとの点および債務者戸田建設が右和解の効力としても第一物件を取得したとの点は否認する。

三  抗弁第三項は否認する。

四  抗弁第四項のうち、債権者藤田が昭和四三年一一月ごろ債権者勝良荘の取締役であつたことは認めるが、その余は否認する。譲渡契約の締結については、昭和四四年三月一〇日、債権者勝良荘の取締役会において承認を得ている。

五  抗弁第五項は争う。なお譲渡契約は債権者勝良荘の債権者藤田に対する消費貸借債務の本旨に従つた弁済としてなされたもので、詐害行為ではない。

第二昭和四四年(ヨ)第一六一四号事件

(申請の趣旨)

一  別紙第二物件目録記載の物件(以下第二物件という。)に対する債務者らの占有を解いて債権者勝良荘の申出を受けた和歌山地方裁判所執行官にその保管をさせる。執行官は債権者勝良荘に同目録二記載の物件(以下木製桟橋という。)の、債務者らに同目録一記載の物件(以下コンクリート製桟橋という。)の各使用を許さなければならない。この場合においては執行官はその保管にかかることを公示するため適当な方法をとるべく、債務者らはこの占有を他人に移転し、または占有名義を変更してはならない。

二  債務者らは債権者藤田が第一物件に至る別紙第三物件目録記載の通路部分(以下本件通路部分という。)を使用することを妨害してはならない。

(答弁)

主文第三項同旨

(申請の理由)

一  債権者勝良荘は、桟橋設置のため和歌山県知事から勝浦漁港区域内公有水面の継続占用許可を受け、これに基づき同水面上に第二物件を設置して所有していたが、その最後の占用許可の内容は次のとおりである。

(一) コンクリート製桟橋

占用許可の日 昭和四三年五月二三日

占用場所、占用面積、占用目的

別紙第二物件目録一記載のとおり

占用期間 昭和四三年四月一日から四五年三月三一日まで

(二) 木製桟橋

占用許可の日 昭和四三年八月一四日

占用場所、占用面積、占用目的

同目録二記載のとおり

占用期間 昭和四三年八月一四日から四五年三月三一日まで

なお右占用許可の性質は、その恒久性、専用性、必要性からして権利設定の効果を有する特許ないし免許であると解せられる。

二  債権者藤田は第一物件の所有権等を取得し(その詳細は第一事件で述べたとおり)、かつその敷地について次のとおり占有権原を有するところ、右第一物件は債務者戸田建設の所有する土地、建物に囲繞されているため崖岸の海辺を通らなければ公路に至ることができないから、債権者藤田は前記木製桟橋から第一物件のうち本件トンネルを経てその余の三物件に通ずる本件通路部分を通行すべき囲繞地通行権を有する。

底地利用権の法律関係に準ずるものである。

三  債務者らは現に第二物件を占有している上、右物件や本件トンネル付近に暴力団員等を常時配置して見張らせ、債権者勝良荘の第二物件に対する占有使用および債権者藤田の本件通路部分の通行を実力で妨害している。

四  よつて、債務者らに対し、債権者勝良荘は第二物件の所有権に基づきその使用占有妨害排除、予防の、債権者藤田は本件通路部分の囲繞地通行権に基づきその妨害排除、予防の各本案訴訟を提起すべく準備中であるが、右本案判決の確定をまつていては次のとおり回復困難な損害を被るおそれがあるので、本件仮処分申請に及ぶ。

(一) 第二物件について

債務者らは第二物件とともに旅館営業施設全体をいつ第三者に移転するかも知れないし、ことに木製桟橋は板張りのため破損し易く、現に債務者らの乱暴な使用によりその一部分は完全に破壊されて桟橋全体がぐらつく程になつており、このまま放置するときわめて危険であるため早急に改修する必要がある。これに対し債務者らは第二物件の隣接地に新たに三〇坪位の面積の木造桟橋を構築して使用しているから、第二物件を使用する必要性がない。

(二) 本件通路部分について

第一事件申請の理由第三項に記載するとおり、債権者藤田は第一物件を今直ちに占有使用しまたその破壊を監視する必要があり、そのためには地形上本件通路部分を通行しなければならない。

(申請の理由に対する答弁)

一  申請の理由第一項のうち、債権者勝良荘が主張のころ、主張のような内容の占用許可を和歌山県知事から受け、第二物件を設置して所有していたことは認める。

右占用許可は旅館施設の所有および営業と切り離して考えることはできない性質のものであるから右施設の所有者または経営者が交替すれば当然に許可の取消、変更がされるべきであるが、またそのような処分のされていない過度的期間においては、新たな旅館施設の所有者、経営者である債務者らのために第二物件の通常の用法に従つた使用が公益上認められてしかるべきである。

二  申請の理由第二項のうち、第一物件がもと債権者勝良荘の所有であつたことは認めるが、債権者藤田がこれを譲り受けたことおよび同債権者が右物件の敷地について占有権原を有することは否認する。

第一物件はいずれも土地または建物の構成部分ないし従物であつて法定地上権は発生しないし、また債権者藤田は公有水面を使用することの許可を受けたことがなく、同債権者は第一物件の敷地についていずれも占有権原を有していないから、囲繞地通行権が発生することはあり得ない。

三  申請の理由第三項は否認する。債務者らは、旅館施設への唯一の通行の経路として第二物件を使用しているにすぎない。

四  同第四項は争う。

(抗弁)

一  債権者勝良荘に対する抗弁

(一) 第二物件はいずれも大字勝浦一一六二番八の土地(別紙第四物件目録(三)の(20))に接着して設置され、これと一体となつて桟橋としての使用目的を有し、しかも旅館敷地内への通路として旅館施設と不可分のものであつて、右土地に定着する構成部分または従物というべきであるが、同土地は第一事件抗弁第一項記載のとおり債務者戸田建設が競落取得したものであり、これに附随して第二物件も同債務者が取得したものである。

また第二物件についても、第一事件抗弁第二項の起訴前の和解についての主張と同様のことがいい得る。

(二) 仮に右の主張が認められないとしても、第二物件は勝良荘の旅館施設に通ずる唯一の出入口になつているから、囲繞地通行権が認められている趣旨に照らし、このような場合には、右旅館施設の総体を競落取得した債務者戸田建設および同債務者から右施設を賃借している債務者丸建観光に対し、右施設の前所有者である債権者勝良荘は右競落物件をその本来の方法に従つて使用させるため、第二物件を通行使用させるべき法的義務があり、従つて、債務者らは債権者勝良荘に対し右通行使用権を有する。

二  債権者藤田に対する抗弁

債権者藤田が第一物件につき所有権を有するとの主張に対する抗弁は第一事件抗弁第一ないし第四項と同様である。

三  債権者らに対する抗弁

仮に以上の抗弁が理由がないとしても、債権者らの本件仮処分申請は公序良俗および信義則に反しまた権利の濫用というべきであることは第一事件抗弁第五項のとおりである。

(抗弁に対する答弁)

一  抗弁第一項について

(一) 同項(一)は争う。第二物件は公有水面上に構築されているものであり、公有水面に債務者ら主張の抵当権の効力が及ばないことは明らかであるから、第二物件にも及ばないことは論をまたない。

(二) 同項(二)のうち、第二物件が旅館施設に通ずる唯一の出入口であるとの点は否認する。前記のとおり債務者らは別に桟橋を構築して使用している。

二  抗弁第二項は争う。その詳細は第一事件抗弁に対する答弁第一ないし第四項のとおりである。

三  同第三項は争う。

第三疎明関係<省略>

理由

一  本件源泉を除く第一物件および第二物件がもと債権者勝良荘の所有であつたこと、第一、第二物件を債務者らが占有使用していること、昭和三八年二月債権者勝良荘と債務者戸田建設の間で債務者ら主張の旅館勝良荘新館増築工事請負契約が締結されたこと、その後昭和三九年五月中旬ごろ右両者間で債務者ら主張のような内容の右契約の一部変更契約が成立し、その際新館について債務者ら主張のような抵当権設定契約がなされその旨の登記がされたこと、債権者勝良荘は約定の請負代金のうち昭和三九、四〇年度分の各一億円は支払つたが、昭和四一年度分の一億円の支払はなかつたこと、昭和四一年一〇月一日附で別紙第四物件目録(二)、(三)記載の各物件について債務者ら主張のような抵当権設定登記がなされていること、債権者勝良荘からは昭和四二年度分の請負代金一億円の支払もなく、前記変更契約中の条項に基づき残代金二億二、八八六万五、〇〇〇円の全額について弁済期が到来したので、債務者戸田建設は右各抵当権に基づき昭和四二年九月六日和歌山地方裁判所新宮支部に競売申立をし、同月二二日その旨の記入登記がされ、右競売手続において債務者戸田建設が昭和四三年二月二六日債務者ら主張の勝良荘の旅館施設を構成する全土地、建物(第一事件抗弁第一項(二)に記載したもの)を競落し、各主張の日に代金支払、所有権移転登記、引渡命令の執行を了したことは当事者間に争いがない。

二  そこで債務者ら主張の昭和四一年九月の別紙第四物件目録(二)、(三)記載の物件に対する抵当権設定契約の成立について判断する。

(一)  成立に争いのない甲第五一号証(乙第一号証)、第五八号証、原本の存在と成立に争いのない甲第七一号証の一ないし四、第七二号証の一、二、第七三号証、乙第四七号証の一ないし三、証人小畑展也の証言によつてその成立を認め得る甲第四一号証の二証人塙重雄の証言によつてその成立を認め得る乙第一〇号証、証人松葉貞雄の証言によつてその成立を認め得る乙第三六号証の一、二、証人小畑展也、益永満(第一、二回)、塙重雄、赤松清一、松葉貞雄の各証言および債権者勝良荘代表者池水芳司の本人尋問(第一、二回)の結果の一部を総合すれば次の事実が一応認められ、右認定に反する甲第一六号証、第四一号証の一、第六六号証の一、二、第六九号証および債権者勝良荘代表者池永芳司の本人尋問(第一、二回)の結果中右認定に反する部分は措信し難く、他に右認定を履すに足りる証拠はない。

1  債権者勝良荘から債務者戸田建設に対し昭和四一年五月末日までに支払うべき請負代金一億円の支払がなく、その支払のために債権者勝良荘が振出していた同日支払期日の約束手形について依頼返却の措置をとる事態となり、すでに設定されていた新館についての抵当権は二番抵当であつて充分な担保力がない等の理由から、債権の回収に不安を抱いた債務者戸田建設は同年八月ごろから債権者勝良荘に対し勝良荘本館(別紙第四物件目録(二)記載(2) ないし(8) の建物および同目録(三)記載(40)の建物からなる、以下本館という。)と倉庫等および債権者勝良荘の代表者であつた公三郎個人所有のその他の土地、建物についても抵当権を設定するように要求するに至つた。

2  そして、債務者戸田建設の益永満経理課長は、あらかじめ債権者勝良荘の小畑展也総務部長に対し抵当権設定を求めている債権者勝良荘および公三郎個人所有の土地建物の存否、所在、面積等について電話で照会した後、抵当権設定契約書(別紙第四物件目録(二)、(三)記載の各物件を記載した物件目録を付したもの)の原案を作成してまず債権者勝良荘の取引銀行であり、かつ昭和三九、四〇年度支払の合計二億円の融資を受けていた株式会社紀陽銀行にこれを送りその了解を求めたところ、若干の修正の申出があつたのでこれを容れ、次に修正後の原案を登記申請手続に必要な債務者戸田建設の委任状、資格証明とともに債権者勝良荘(紀陽銀行から、債権者勝良荘の同銀行に対する債務の履行を確実にし、同銀行の債権の回収に支障をきたすおそれのある事態の発生を防止するため、債権者勝良荘に出向していた同銀行調査役金沢辰三宛)に送付してその同意を求めた。

3  右金沢はこれらを小畑に渡し、小畑は右原案を物件目録を除いて勝良荘内であらためてタイプで打直させ、公三郎個人の物件に抵当権を設定することを含め、債務者ら主張のような契約内容について公三郎の了承を得た(同人は、約束手形の支払ができない状態にある以上、右抵当権の設定もやむを得ないとした。)。そして右契約書の代表者印の押捺は、当時これを保管していた経理課長泰間が公三郎の承認のもとにした。(右契約書のうち、小畑が写を作成し控として所持していたものが乙第三二号証、紀陽銀行が送付を受けて保管していたものが乙第三五号証の一である。なお乙第一五号証の三の基礎となつた原本は、債権者勝良荘が保管していたものと推測される。)

なお益永は昭和四一年九月終りごろ、電話によつて小畑から、抵当権設定について公三郎の承認が得られ、登記関係の書類もすべてととのつた旨の確認を得ている。

4  小畑は、登記申請に必要な公三郎の委任状には同人の了解のもとにその印鑑を押捺してもらうなどして必要書類をそろえ、これらを以前から債権者勝良荘関係の登記申請手続を依頼していた赤松清一司法書士に渡して登記手続を委任し、これを了した。その際、登記原因を証する書面がなかつたため、右登記は申請書副本によつてなされたが、この点はやはり赤松司法書士が依頼を受けて手続をした昭和三九年の新館についての抵当権設定のときも同様であつた。

(二)  なお証人益永満の証言(第一、二回)によれば債務者戸田建設は右抵当権設定契約書を所持していないことがうかがわれ、また前記甲第七一号証の一ないし三と証人赤松清一の証言によれば、右設定登記は登記済証を添附せず、いわゆる保証書によつてなされたことが認められるのであつて(もつとも後者については、原本の存在と成立に争いのない乙第三八、三九号証によれば、右登記の直後、不動産登記法施行細則第六九条の四に従い、管轄の和歌山地方法務局那智出張所から債権者勝良荘および公三郎に宛てて、右抵当権設定について保証書の提出があり、登記を完了した旨通知されていることが認められる。)、これらの事実からすると、抵当権設定契約について債権者勝良荘側の同意があつたものと認定するについて疑問をはさむ余地が全くない訳ではない。

しかし、以下に認定する諸事実も、本件抵当権設定契約が有効になされたものと推認すべき資料に加えることができるのであつて、結局前掲(一)1ないし4にこれらの事実を総合判断すれば、右のような疑問にもかかわらず、この点についての疎明は尽くされたというべきである。

1  弁論の全趣旨によつてその成立を認め得る甲第三八号証(本件の競落許可決定に対する債権者勝良荘代理人弁護士宮崎武吉の昭和四三年六月二六日付最高裁判所宛特別抗告理由追申書)には、「本件増担保については紀陽銀行側は承諾したが、債権者勝良荘の池永芳司専務は強く反対した。しかし銀行側は、債務者戸田建設では競売はできないからと述べ、増担保を承諾させられた。その際芳司の、万一競売されたらどうするかとの質問に対し銀行側は、そのときは収拾策をとるからと言明したので、その指示に従いかつ信頼していた」旨の記載があり、この趣旨は明らかに、債権者勝良荘としては抵当権設定に反対ではあつたが、結局承諾したという意味に解さざるを得ない。

2  原本の存在と成立に争いのない乙第一五号証の一、二、四、五によれば、債務者戸田建設の債権者勝良荘を相手方とする四、〇〇〇万円の約束手形金(請負代金支払のために振出されたもので、支払期日は昭和四二年五月三一日)請求事件の手形判決に基づく動産強制執行に対し、債権者勝良荘の代理人宮崎弁護士らは昭和四三年一一月一日和歌山地方裁判所新宮支部に手形判決に対する異議申立に伴う強制執行停止の申請をしたが、その申請書には、「右四、〇〇〇万円を含む請負代金二億円余の債務を担保するため、昭和四一年債務者戸田建設、債権者勝良荘間に抵当権設定準消費貸借契約が締結され、債権者勝良荘と公三郎所有の不動産に抵当権の設定があつたものであり、右抵当権に基づいて競売申立がなされ競落許可決定があつたから、債務者戸田建設は右債権全額の回收の目的を達したものというべく、もはや債権者勝良荘は本件四、〇〇〇万円の約束手形金債務は負担していない。よつて、強制執行の停止を求める」との記載があることが認められ、しかも申請の際、右契約書(乙第一五号証の三)を引用添附している。

すなわち、抵当権が設定され、その実行がなされたことを執行停止の根拠とし、自己の有利に援用しているのである。(甲第六号証の上申書において宮崎弁護士は、右契約書は池永芳司から他の事件の訴訟資料として受け取つたものの中にあつたのを間違つて提出したと述べているが、採用の限りではない。)

3  また成立に争いのない甲第五号証、前記乙第一五号証の四、証人益永満(第一、二回)、塙重雄、橋本敦の各証言および債権者勝良荘代表者池永芳司の本人尋問(第一、二回)の結果によれば次の事実が認められる。

前記動産の競売期日は昭和四三年一一月七日と指定されたが、債権者勝良荘の代理人橋本敦弁護士らは同月五日前記裁判所に「債権者勝良荘としては最近に至り、旅館土地、建物の買戻しにつき某ホテル業者の協力が得られる見込みがつき、債務者戸田建設に対し具体的内容をもつた示談の申込みが可能となつたから、勝良荘再建のため、折角の相手方との円満解決の機会を与えられたく、是非とも強制執行停止の決定を願いたい」旨の上申書を提出し、債務者戸田建設にもその旨申入れた。

そして、右執行停止事件の担当裁判官からも話合いによる解決の勧告があつた結果、両者間で折衝が行われ、同年一一月七日新宮簡易裁判所において債務者ら主張のような内容の起訴前の和解が成立した。(和解の成立、内容は当事者間に争いがない。)

この折衝から和解成立に至る間、債権者勝良荘、同藤田らの代理人として橋本弁護士が関与していたが、右和解条項には債権者勝良荘が約定期限までに買戻代金の提供ができないときは、池永芳司らは旅館建物を債務者戸田建設に引渡して退去する旨の一項など債権者勝良荘側にとつてきわめて重大な事項が含まれているにもかかわらず、債権者勝良荘側から、もともと抵当権の設定に疑義があるとの話は全く出ず、この点についての言及は皆無であつた。

4  さらに成立に争いのない甲第一三号証と証人橋本敦の証言によれば、池永芳司は、右和解成立後、同条項に定めた買戻代金の提供ができなかつたのに昭和四三年一一月二七日の約定期限までに旅館勝良荘の任意明渡しをせず、同年一一月末から一二月末ごろにかけて債務者戸田建設に対し立退料、涙金あるいは更生資金などの名目で多額の金員の支払を要求するに至つたが、そのころはじめて代理人の橋本弁護士に対し抵当権設定が無効であるといい出し、引続きこれを理由に債務者戸田建設等に対し所有権移転登記の抹消を求める訴を東京地方裁判所に提起したのは昭和四四年一月であることが認められる。

三  次に右抵当権の効力が第一、第二物件に及ぶかどうかを検討する。

(一)  成立に争いのない甲第七号証、第一五号証の一、第一九号証の一、二、第二三号証の一、第四九号証の一、二、第七六号証の一ないし三、乙第四、五号証、第二〇号証、債権者ら主張のような写真であることに争いない甲第三六号証の一ないし一〇、第七九号証の一ないし三、弁論の全趣旨によりその成立を認め得る甲第六号証の一ないし三、乙第二九号証の一、二、第三七号証、第四六号証の一ないし三、債務者ら主張のような写真であることに争いない乙第四六号証の四ないし一一、債権者勝良荘代表者池永芳司の本人尋問(第一回)の結果によつてその成立を認め得る甲第一七号証、いずれも官公署作成部分は成立に争いなく債権者勝良荘代表者池永芳司の本人尋問(第一回)の結果によつてその余の部分の成立を認め得る甲第三〇号証、第三三号証、前記甲第七三号証、証人小畑展也、益永満(第一回)、中村利男の各証言、債権者勝良荘代表者池永芳司の本人尋問(第一、二回)の結果および検証の結果を総合すれば次の事実が一応認められ、右認定を履すに足りる証拠はない。

1  旅館勝良荘は、東は太平洋、西は勝浦湾に面する南北に細長く突出した岬の付け根近くに太平洋に面して位置し、太平洋側を除いて旅館建物敷地の三方を標高五〇メートル前後の山が囲み、山の太平洋側は削りとられたような急峻な断崖となつている。

債務者戸田建設が抵当権を設定し、かつ競落取得したのは、右旅館建物とその敷地および周囲を取り巻く山林の全部である。

2  このような地形のため勝良荘を訪れる客は、紀伊勝浦駅から勝浦湾内の観光桟橋に赴き、同所から勝良荘専属のランチに乗船し(債務者戸田建設はこの汽船二隻も強制競売で取得している。)、湾内を横切つて前記岬の西側海岸(旅館敷地の西端)に設置された第二物件桟橋に上陸し、旅館建物の西側の山腹を貫通している長さ約八〇メートルの本件トンネル内を通つて旅館建物に至ることになつている。

3  右第二物件は、競落土地である大字勝浦一一六二番八の地先にあるが、和歌山県知事の占用許可を得た上公有水面上に突出して設けられ、うちコンクリート製桟橋は昭和二三、四年からあり、木製桟橋は昭和三八年ごろ債務者戸田建設の新館増築工事に際しその必要上作られたものであつて、両桟橋は接続しており、一体として使用できるようになつている。

4  本件トンネルは昭和一二年以前から存し、競落物件である大字勝浦一一五八番二の土地に所在し(本件トンネルの所在場所は当事者間に争いがない。)、西側入口に煉瓦を積んで装飾を施し、鉄格子の扉を取り付け、内部通路は舗装され、壁、天井も塗り固められているが一部は岩盤が露出している箇所もある。

トンネル内には戦時中防空壕として利用された横穴式の倉庫があり、入口には木製扉が取り付けられ、債権者勝良荘の営業当時は、毀損した食器などの捨て場として使用されていた。

5  本件プールは旅館施設全体の東北隅に位置し、昭和四〇年夏本館の東側に隣接し海岸に面して作られ(本館地階のバルコニーの外はすぐプールサイドとなつている。)、その脱衣場は男、女用とも本館地階にある。なおプールは官有地および公有水面上にあるため、県知事の占用許可を得て築造されている。

6  本件岩風呂は旅館敷地全体の南端に位置する競落物件である大字勝浦一一五八番一一および同番一六(一六は鉱泉地)の土地にあり、昭和三九年に現状のように改造されたものであるが、海岸に面して切り立つた崖に海側に入口をあけて自然にうがたれた洞窟内に設けられ、その内部は天然の岩窟をそのまま利用したものであつて、天井には岩盤が露出し、風呂のすぐ外側は外海である。

岩風呂へは本館から専用の地下通路で連絡し、内部設備としては二つに仕切られた大谷石製の浴槽、水道栓のある洗面台の設置された洗い場、四方に柱を建て、柱の間に壁はなく、ビニール張りの屋根でおおわれ、中間に約二メートルの高さの大谷石製の障壁を設けて男女の区別をし、右障壁に脱衣棚を取り付け、床をコンクリートと黒石で固めた脱衣場および照明の設備がある。

右脱衣場については登記はされていなかつたが、昭和四四年四月五日に至り、債権者らのこれら物件が本件抵当権の対象外の物件であるとの主張に対抗するため債務者戸田建設が申請した強制競売の申立の登記をするため、保存登記がなされた。

勝良荘には他にも大浴場等風呂はあつたものの、債権者勝良荘では特異なこの岩風呂を他に類をみない雄大な温泉であるとし、「天然大岩窟温泉、岩戸風呂」と名付け、旅館の名物としておおいに宣伝に努めていた。

7  本件源泉は旅館敷地全体の東北端に近く、プールの北側に位置し、山腹を削つて作られた海岸遊歩道路の傍にあり、競落物件である大字勝浦一一五八番六の土地に所在し、昭和三九年九月に掘削工事に着手して四一年一二月に終了し、四二年一月温泉法施行規則により和歌山県知事に対するその旨の届出を了したものであつて、旅館敷地内の他の三箇所の源泉が鉱泉地として分筆登記されているのと異り、そのような手続がなされていない。

なお本件源泉から湧出した湯は、本館内の大浴場および前記プール用に使用されている。

(債権者らは本件源泉は公有水面に所在すると主張するが、前記甲第三三号証によれば債権者勝良荘は本件源泉が右一一五八番六に存在するものとして和歌山県知事に掘削の許可を申請していることが認められ、債権者勝良荘代表者池永芳司の陳述書である甲第一六号証にも「一一五八番六と公有水面の境界であつて何れに属するのか疑問がある」との記載がみられる程であつて、これらの事実に照らしても、債権者らの主張に沿う甲第四一号証の一および債権者勝良荘代表者池永芳司、債権者藤田の各本人尋問の結果は措信できない。)

本件源泉から本館内大浴場および前記プールに送湯するための設備である本件ポンプ室はやはり右一一五八番六の土地上にあり(源泉から一六・五メートル北方)、昭和四一年一二月ごろ新設されたものであつて(前記掘削工事の終了時期からして、このころと推測される。)、前記脱衣場と同じ日に同じ事由で保存登記がされている。

8  なお、前項でその成立を認定した昭和四一年の抵当権設定準消費貸借契約の約定書(乙第一五号証の三等参照)には、「本抵当権の効力は当然目的物件に従属する門、塀、庭木、庭石、造作、プール、畳、建具、機械の運転に必要な伝導装置、器具その他一切の附加従属物に及ぶものとする」および「本抵当物件は現在有姿のまま担保に供したものであるから公簿上の記載とその実際とが符合しないことがあつても抵当権の効力に何ら影響ないことを承認しかつこれに関し何らの異議も述べない」旨の各条項が存し、抵当権設定の当事者としても、プール等の附属設備を含んだ旅館施設全部を一体のものとして意識していたことが明らかである。

(二)  以上認定の事実に基づいて、第一、第二物件が抵当権の効力の範囲内に含まれるかどうかを、順次判断する。

1  第二物件について

第二物件は旅館勝良荘の位置する場所の特殊性からいつて、その出入口として必要不可欠のものであることは明白であり、専ら旅館へ赴くための通行の用に供せられていたものであつて、しかも仮に取外しが物理的には可能であるとしても、その場合これら物件の経済的価値が著しく減ずることは明らかであるから(特にコンクリート製桟橋の場合)、このような意味において取外しは困難であつて、これが附置されている大字勝浦一一六二番八の土地の構成部分ないしは従物というべきである。

2  本件トンネルについて

本件トンネルは土地と完全に一体化しており、土地からの取外しは物理的にも不可能であつて、土地を離れては存立し得ないものであるから、前記横穴式倉庫も含めその所在する大字勝浦一一五八番二の土地の構成部分であることは明らかである。

3  本件プールについて

本件プールは土地から取外すことは困難といわざるを得ず、本館に接着して設けられ本館内の脱衣場と相まつてはじめて十全な利用が可能となり、また宿泊、遊興等を目的とする旅館施設内における役割もきわめて重要であつて(抵当権設定準消費貸借約定書に附属設備の一として特にプールを掲記したのもこの間の事情を物語るものといえよう。)、本件プールを含めた諸施設が有機的に一体となつて一大旅館を形造つているものと評価すべきものであり、反面本件プールは旅館と切離して独立のものとして利用することも不可能ではないにしても、旅館施設の一環として使用する場合に比してその経済的効用に大差が生ずることは明らかであるから、旅館建物の構成部分ないしは従物というのが相当である。

4  本件岩風呂について

本件岩風呂は、自然のままの岩窟に若干の工作物を附加したものにすぎず、またその浴槽等の諸施設は土地への密着性からして取外しはきわめて困難というべく、所在する大字勝浦一一五八番一一および一六の土地の構成部分と解するのが相当である。

諸施設のうち脱衣場については土地からの独立性が多少認められるとしても、本件岩風呂が旅館勝良荘の最も誇りとする特異な物件であることからも明らかなように、これを欠いては勝良荘の旅館としての価値は大幅に低下するものと認められ、脱衣場も少くとも旅館建物の構成部分ないし従物であることは明白である。

5  本件ポンプ室について

本件ポンプ室は専ら本館内大浴場および前記プールのためだけの設備であるから、旅館建物の構成部分というべきである。

6  以上のまとめ

以上のとおり右各物件はすべて競落物件である土地あるいは建物に附加してこれと一体をなしたものと解すべきである。

なおこれら物件のうち第二物件および本件プールは競落土地から公有水面上に突出して設けられているが、この事実は右物件が右競落土地あるいは地上建物の附加物と判断するについて何ら支障となるものではない。

また以上の物件について抵当権設定の際、別段の定めがあつたことを認めるに足りる証拠はない。(むしろ逆に前記認定のとおり、抵当権の効力がプール等附加物に及ぶ旨を特に約定している。)

従つて債務者戸田建設は、これら物件をすべて競落により取得したものというべく、さらに土地、建物について移転登記を了したことにより前記附加物についても対抗要件を具備したものであるから、その後に至つて債権者藤田がこれらのうち第二物件を除く物件をその主張の日に債権者勝良荘から譲り受けたとしても、その所有権を対抗するに由ないものであり、また右により債権者勝良荘は第二物件の所有権を失うに至つたものというべきである。

7  本件源泉ないし温泉権について

本件は、抵当権の設定された土地内の源泉から湧出した湯が、第三者のためではなく、同時に抵当権が設定された旅館建物内の浴場および抵当権の効力の及ぶプールのために専ら使用され、しかも右土地の所有者は旅館建物を所有する株式会社の代表者であつて両者間に密接な関係があり、源泉地盤を含む土地と旅館建物および源泉から湧出する湯相互の利用関係の間に高度の一体性が存する場合というべく、競売手続進行中も右のような状態に変化はなく、その後同一人が右地盤所有権および旅館建物の双方とも競落したものであり、以上の事実に加え、右土地、建物に対する抵当権設定時にすでに温泉の掘削工事が進行中であつて、将来抵当土地から湯が湧出するものと予想されていたこと、本件源泉については旅館施設内の他の三箇所の源泉と異り鉱泉地として分筆登記する手続がとられていないこと等の事情を勘案すると(なお、当事者間において抵当権設定の際、温泉利用権能について別段の定めがあつたことを認めるに足りる証拠はない。)、和歌山県勝浦地方における温泉権に関する一般的な慣習がたとえどのようなものであれ(この点については、証人小畑展也が温泉権が源泉土地所有権と切離され、独立のものとして処分される慣行は聞知していない旨証言するにとどまり、他に証拠はない。)このような場合には、温泉利用権能が地盤所有権と別個独立のものとして抵当権の効力の及ぶ範囲外従つて競落の対象外のものであるとは到底考えられないのであつて、地盤所有権の内容に当然含まれるものあるいは少くとも旅館建物に従たる権利として、これら物件の競落人である債務者戸田建設が温泉利用権能をも取得すると解するのが相当である。

そして、右土地について債務者戸田建設が移転登記を備えた以上、その後に至り債権者藤田が債権者勝良荘から右温泉権を有効に取得し得ない筋合であることは明らかである。

四  以上の次第で、第一、第二物件の所有権等が債権者らに存すること、また第一物件の所有権等が債権者藤田に存することを前提とする囲繞地通行権が発生すること、すなわち本件各仮処分の被保全権利については疎明がないものといわざるを得ず、保証をもつて右疎明に代えさせることも相当ではないから、その余の点について判断するまでもなく、債権者らの本件各仮処分申請はいずれも理由がないというほかなく、これを認容した第一事件についての主文第一項掲記の仮処分決定は失当であるからこれを取消して右仮処分申請を却下し、昭和四四年(ヨ)第一六一四号事件申請は失当であるからこれを却下することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法第八九条、第九三条第一項本文、仮執行の宣言について同法第一九六条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 鈴木潔 矢崎秀一 大田黒昔生)

第一物件目録

一 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字勝浦字磯の湯一一五八番一一所在

構築物「岩風呂」名称岩戸風呂(脱衣場を含む。)

奥行五六メートル、幅員約二〇メートル、高さ約五メートル

(最高部)

二 右同町大字勝浦字磯の湯所在

構築物「プール」

長さ約三五メートル、幅員約五メートル

三 右同町大字勝浦字磯の湯一一五八番二所在

構築物「トンネル」

高さ約二・三メートル、幅員約一・八メートル、長さ約七四メートル

四(一) 温泉源ポンプ室

右同町大字勝浦学磯の湯一一五八番地の六所在

家屋番号 一一五八番六の一

コンクリートブロツク造陸屋根平家建倉庫 一棟

床面積 八・九一平方メートル

ポンプ室の大きさ

縦三・五メートル、横二・八メートル、高さ三・四メートルのコンクリート造建物

(二) 温泉源湯口の土地

所在 右同所一一五八番六地先公有水面地

種類 鉱泉地

地積 約三・三平方メートル

(但し、現況未登記)

第二物件目録

一 桟橋

占用場所 東牟婁郡那智勝浦町大字勝浦一一六二番地地先

占用面積 二一・九平方メートル

占用目的 桟橋設置

の許可条件のもとに右土地上に構築した同面積の鉄筋コンクリート製桟橋

二 桟橋

占用場所 同所同番地地先

占用面積 一八六・四三平方メートル

占用目的 仮設桟橋設置

の許可条件のもとに右土地上に構築した同面積の木製桟橋

第三物件目録

添付図面黒太線および黒太点線で表示した通路部分

(一) 岩風呂へ至る通路

木製(以下同様)桟橋Zより、A、B、C、L、M、N、Oを順次結んだ長さ二九九メートル、幅員二メートルの通路

但し、C、L、M、N、OはA棟建物内の廊下を通行するものとする。

(二) プールヘ至る通路

桟橋Zより、A、B、C、D、E、F、G、H、Iを順次結んだ長さ三〇六メートル、幅員二メートルの通路

(三) トンネルヘの通路

桟橋Zより、A、Bを順次結んだ長さ一九四メートル、幅員二メートルの通路

(四) 温泉源へ至る通路

桟橋Zより、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Kを順次結んだ長さ四四五・五メートル、幅員二メートルの通路

ちなみに

ZA間 一二〇メートル  AB間 七四メートル

BC間 二三・五メートル CD間 四六・五メートル

DE間 二六メートル   EF間 五〇メートル

FG間 二一メートル   GH間 五メートル

HI間 四〇メートル   IJ間 三〇メートル

JK間 九・五メートル  CL間 九・五メートル

LM間 四六・五メートル MN間 一六・五メートル

NO間 九メートル

但し、

桟橋の突端をZ、トンネル入口をA、トンネル出口をB、玄関前広場からBDを見通せる点をC、A棟の南西端をD、Dより東に二六メートル下りた点をE、旧ロビーの中心部から海寄りに二メートル離れた点をF、プールの南端中心点をG、プールの南西端をH、プールの北西端をI、源泉所在地をJ、ポンプ室をK、A棟の階段入口をL、岩風呂連絡廊下入口をM、出口をN、岩風呂脱衣場入口をOとしたもの。

第四物件目録

(一) 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字勝浦一一五八番地の五

家屋番号 磯の湯一三番

一、鉄筋コンクリート造陸屋根地下一階附九階建

旅館

床面積   八六三・七三平方メートル

外二階 一、〇四八・二九平方メートル

外三階 一、〇四七・六六平方メートル

外四階   九〇〇・一九平方メートル

外五階   九〇〇・一九平方メートル

外六階   九〇〇・一九平方メートル

外七階   九〇〇・一九平方メートル

外八階   一〇七・九六平方メートル

外九階    三八・八七平方メートル

外地階   一一四・一一平方メートル

(二)

(1)  和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字勝浦一一五八番一三

宅地 七三六・五二平方メートル

(2)  同所一一五八番地の三

家屋番号 一番

木造瓦葺二階建店舗

床面積 一階 二七七・三五平方メートル

二階 二八九・二五平方メートル

附属建物(符号1)

木造瓦葺二階建待合所

床面積 一階 三六・三六平方メートル

二階 一三・二二平方メートル

(3)  右同所一一五八番地の一、一一五八番地の三

家屋番号 六番

木造瓦葺二階建店舗

床面積 一階 一三三・一二平方メートル

二階 一三〇・五七平方メートル

(4)  右同所一一五八番地の三

家屋番号 七番

鉄筋コンクリート造防水モルタル葺二階建店舗兼倉庫

床面積 一階 八七・一四平方メートル

二階 四二・一四平方メートル

(5)  右同所一一五八番地の一〇

家屋番号 八番

鉄筋コンクリート造及び木造瓦葺三階建店舗

床面積 一階 三〇四・六九平方メートル

二階 二二一・五二平方メートル

三階 二四六・〇四平方メートル

附属建物(符号1)

鉄筋コンクリート造瓦葺平家建ろう下

床面積 二九・四八平方メートル

(6)  右同所一一五八番地の一、一一五八番地の三

家屋番号 九番

鉄筋コンクリート造防水モルタル葺三階建旅館兼居宅

床面積 一階 二二七・三七平方メートル

二階 一九八・〇四平方メートル

三階 二一五・七〇平方メートル

(7)  右同所一一五八番地の一三

家屋番号 一〇番

鉄筋コンクリート造陸屋根三階建旅館

床面積 一階   九四三・八〇平方メートル

二階 一、一五三・六一平方メートル

三階 一、〇六九・四二平方メートル

(8)  右同所一一五八番地の一、一一五八番地の三

家屋番号 一二番

鉄筋コンクリート造及び木造亜鉛メツキ鋼板葺

二階建旅館兼事務所

床面積 一階 三七二・〇二平方メートル

二階 五四六・九四平方メートル

(9)  右同所一一六二番地の二

家屋番号 一番

木造瓦葺二階建倉庫

床面積 一階 三九・六六平方メートル

二階 三九・六六平方メートル

(10) 東牟婁郡那智勝浦町大字築地二丁目三番地の四

家屋番号 四〇五番

鉄筋コンクリート造陸屋根五階建居宅兼店舗

床面積 一階 一二一・五二平方メートル

二階 一四九・〇九平方メートル

三階 一四九・〇九平方メートル

四階 一四九・〇九平方メートル

五階  一八・九七平方メートル

(三)

(1)  和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字勝浦一一五八番一

宅地 三九九・九九平方メートル

(2)  右同所一一五八番二

山林 四、〇九四平方メートル

(3)  右同所一一五八番一五

鉱泉地 七・五〇平方メートル

(4)  右同所一一五八番一六

鉱泉地 三・七五平方メートル

(5)  右同所一一五八番三

宅地 一、〇四〇・五九平方メートル

(6)  右同所一一五八番四

宅地 五〇・四一平方メートル

(7)  右同所一一五八番五

宅地 九三二・三六平方メートル

(8)  右同所一一五八番六

山林 二、八一九平方メートル

(9)  右同所一一五八番七

宅地 五九・五〇平方メートル

(10) 右同所一一五八番八

宅地 九・九一平方メートル

(11) 右同所一一五八番地九

宅地 五六・一九平方メートル

(12) 右同所一一五八番一〇

宅地 四〇六・二八平方メートル

(13) 右同所一一五八番一一

雑種地 三八三平方メートル

(14) 右同所一一五八番一二

堤 二九平方メートル

(15) 右同所一一五八番一四

宅地 六〇八・六九平方メートル

(16) 右同所一一六一番

鉱泉地 九・九一平方メートル

(17) 右同所一一六二番二

山林 一一、三五五平方メートル

(18) 右同所一一六二番四

山林 一、五三七平方メートル

(19) 右同所一一六二番六

山林 一九八平方メートル

(20) 右同所一一六二番八

宅地 七九・三三平方メートル

(21) 右同所一一六二番九

宅地 五六・一九平方メートル

(22) 右同所一一六二番一〇

宅地 四九・五八平方メートル

(23) 右同所一一六二番一一

宅地 五六・一九平方メートル

(24) 右同所八七二番一

山林 八九二平方メートル

(25) 右同所八七二番五

宅地 六九・三五平方メートル

(26) 右同所八七二番六

宅地 八三・一四平方メートル

(27) 右同所八八九番一

山林 二九〇平方メートル

(28) 右同所八九〇番一

山林 三九九平方メートル

(29) 右同所八九四番一

山林 一八五平方メートル

(30) 右同所八九五番

山林 三五七平方メートル

(31) 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字井関九四二番一

宅地 八三六・三六平方メートル

(32) 右同所九四三番

宅地 五〇九・〇九平方メートル

(33) 右同所九四四番

宅地 三九三・三八平方メートル

(34) 右同所九四四番内一号

宅地 三六六・九四平方メートル

(35) 右同所九四四番内二号

宅地 七九・三三平方メートル

(36) 右同所九四五番

宅地 三四〇・四九平方メートル

(37) 右同所九四六番二

宅地 七八・三一平方メートル

(38) 右同所九七九番二

宅地 一九・八三平方メートル

(39) 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字勝浦一一五八番地の六

家屋番号 三番

木造瓦葺平家建店舗

床面積 三〇・四一平方メートル

附属建物(符号1)

木造瓦葺平家建店舗

床面積 二六・四四平方メートル

符号(2)

木造瓦葺平家建店舗

床面積 二七・七六平方メートル

(40) 右同所一一五八番地の五

家屋番号 四番

木造瓦葺二階建店舗

床面積 一階 二五四・三八平方メートル

二階 二〇五・一五平方メートル

(41) 右同所八九〇番地の一

家屋番号 一〇四番

木造瓦葺平家建居宅

床面積 三四・七一平方メートル

(42) 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字井関九四二番地の一

家屋番号 四三番

木造瓦葺二階建居宅

床面積 一階 二〇五・九五平方メートル

二階 一七八・五一平方メートル

附属建物(符号1)

木造瓦葺二階建物置

床面積 一階 四九・五八平方メートル

二階 四九・五八平方メートル

符号2

木造瓦葺二階建物置

床面積 一階 三六・三六平方メートル

二階 二六・四四平方メートル

符号3

木造瓦葺二階建物置

床面積 一階 二六・四四平方メートル

二階 一九・八三平方メートル

符号4

木造瓦葺平家建便所

床面積 九・九一平方メートル

(添付図)<省略>

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